第6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(新設) この規定は、2019年7月1日から適用されます。
◎寄与分制度の見直し
〇寄与分評価の意味
一般的に寄与とは、被相続人の財産の維持又は増加に貢献する行為とされ、相続人の家業従事、金銭出資、財産管理、療養看護、
扶養が寄与にあたると評価されてきました。裁判所の療養看護や家事従事の寄与を認めた事例がありますが、限定的と言わざるを得ませんでした。
(東京高裁平成22年9月13日決定 東京家裁平成12年3月8日審判 など)
〇相続人でなければ寄与分の主張はできない。
またこれらはあくまでも相続人の寄与分が問題とされたものですから、相続人でない家族、例えば義父や義母の介護に努めた相続人である、
息子の妻は相続人ではないため、寄与分を考えるまでもないのでした。
●相続人以外の寄与行為に相続人への請求の途を認めました。
このたびの法改正により、相続人以外の親族(特別寄与者)が被相続人の療養看護を行った場合には、相続開始後、一定の要件のもとで、
相続人に対して金銭請求をすることができる規定が新設され、新たな救済制度が設けられました。
■相続人以外の親族が行ってきた介護等の貢献に報いる制度の創設。具体的には、寄与した人を特別寄与者とよび、
相続人に対しての金銭請求権(特別寄与料の支払い請求)を認めることを規定しました。
■寄与は無償でなければなりません。
■特別寄与に関する意思表示は、特別寄与者が相続人に対し特別寄与料の支払い請求を行うことによります。
■特別寄与料の協議が整わないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求することができます。
■家庭裁判所への請求は、相続開始及び相続人を知ったときから6か月を経過したとき、
相続開始のときから1年を経過したときは請求ができなくなります。
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